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人事労務の右腕

企業の事例/不祥事を起こす企業の共通点1(心理的安全性⑧)

目次

  1. ビッグモーター社の不正問題

  2. 不正の背景

  3. まとめ 

 

前回は企業において心理的安全性を高めた事例をご紹介しました。

企業の事例/Google プロジェクトOxygen(心理的安全性⑥)

企業の事例/Google プロジェクトAristotle(心理的安全性⑦)

 

本日は、社員の心理的安全性が低い場合、企業ではどのような問題が起こり得るかということを考えたいと思います。

 

 

1,ビッグモーター社の不正問題

 

まずは昨今話題になっている、中古車販売のビッグモーター社の事件を例に取ってみます。

 

ニュースで取り上げられている通り、同社は保険金を水増しするために、様々な不正を行っていることが発覚しました。

具体的には以下のような不祥事が行われていたようです。

 

  • 靴下にゴルフボールを入れて車体を叩いた
  • ドライバーで傷をつけた
  • やすりで塗装を剥がし、事故の擦り傷に見せかけた
  • バンパーを押し車体に傷をつけた
  • ヘッドライドのカバーや付け根をわざと割る
  • 不要な部品を交換
  • 行っていない作業をやったことにした
  • 傷の範囲を誤認させる写真撮影

 

通常の心理だと想像できないようなことばかりだと思います。

しかし実際にこうした不適切行為が現場で行われ、損害保険会社に対し不正に保険金を請求していました。

 

不正の疑いは調査対象の修理件数のうち約44%、少なくとも1200件以上見つかっているとのことです。

水増し額は一台あたり約3万9000円、不正請求総額は約5000万円ほどと見積もられています。

 

従業員へのアンケートでも、回答者382人のうち4割以上の172人が「不正に関与した」「私以外の人が不正に関与しているのを見聞きした」との結果がでたそうです。

 

 

2,不正の背景

 

なぜここまで不正を行う必要があったのでしょうか。

直接的には、非常に高い目標設定があったからでしょう。

 

現場の社員にはノルマが課せられており、一台あたりの修理費用に約14万円の目標が設定されていたとのことです。

達成できないとその理由を厳しく問い詰められ、降格や給料の減額も行われていました。

 

 

しかしこのような不正が止むことなく、数年に渡り継続した背景には、兼重社長、息子の宏一副社長をトップとした、上からの指示に逆らえない文化があったと考えられます。

 

同社の経営層は、売上高や利益率を上げることに執着し、目標達成のためには手段を選ばない方針だったとの評判です。

部下に対して高圧的で暴力的な言動を繰り返し、反対意見や批判を許さない雰囲気を作っていたようです。

 

そのため、社員は不正に加担することで自分の身を守ろうとし、また不正を知っていても黙っているか、見て見ぬふりをするしかなかったと考えられます。

当然心理的安全性などないに等しかったはずです。

 

 

保険の不正以外にも、様々な不祥事が発覚していますが、これも心理的安全性を含めて組織風土が悪かったからこそ起きたことでしょう。

  • 罰金制度/自動車保険の契約目標を下回った店舗の店長が、目標を達成した店長に現金を支払っていた
  • 不正な車検の実行
  • 利用客への過剰な営業
  • パワハラ
  • 社内LINEでの暴言、など

 

 

3,まとめ

 

ビッグモーター社の場合、問題のある経営トップの影響力が社内全体に行き渡っていたことで、不祥事を止めることができませんでした。

 

実はこうしたケースは他にもあります。

次回はまた別の企業の事例を見ていき、どうしたら不祥事が大きくなる前に止められるのかを考えたいと思います。

 

本日もお読み頂きありがとうございました!

 

この記事を書いた人

濱田純

濱田純

「人事労務の右腕」のサービス開発者。組織・人事領域の知見を活かして、人事労務関連の役に立つ情報を分かりやすくお伝えします。

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